読書新聞:読書ってスパイシー!

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秋の夜長に、近代文学で、まったり楽しむ。ヘッセのデーミアン

久しぶりに時間が取れたので、読書をしてみました。

ミステリー読もうかとも思ったんですが、気分が乗らなかったので、それなら近代文学を久しぶりに読んでみようかなと。

私の大好きなヘッセの本の中でも、さらに大好きな「デーミアン」に決めました。

ヘッセは、精神症も患ったことがあるみたいで、その病気の後に生まれたのが、このデーミアンという作品です。

他にも大好きな本は沢山あるんですが、このデーミアンは、本当に大好きで、もう再読回数は8回を超えました。

好き好きがあるとは思うんですが、私はヘッセの作品で、一番の秀作であると信じてます。

当時珍しかった、SF的なテレパシーを作品に入れ、またアブラクサスのことなどにも言及しており、そして、当時のドイツの学生風景とでも呼ぶんでしょうか。

そんな時代背景で、主人公が自己を見つけ出すというお話です。

そもそも、主人公が、デーミアンに会うきっかけは、不良グループに馬鹿にされないようにと、主人公が盗みを働いたと嘘を言ったのが原因で、不良グループに脅されていた主人公を、デーミアンが救ってくれると言うお話。

途中学生時代に、放蕩の限りを尽くしていた主人公が、火を愛する青年と会い、そして、デーミアンと再開して、エバ夫人との出会いなども書かれてます。

「卵の殻を破らねば、ひな鳥は生まれずに死んでいく。」これは、少女革命ウテナというアニメで使われていた言葉ですが、個人的には、デーミアンの言葉を使ったのかなと思ったりもしています。

冒頭のセリフも、痺れますね。

「僕はただ、ひとりでに僕の中から生まれ出ようとするものを、生きてみようと思っただけだ。それがどうしてこんなにむずかしいものだったのだろうか。」

ヘッセの文は、原文が素晴らしいらしいんですが、ドイツ語は覚えるのが敷居高そうなので、日本語で我慢します。(笑)

デーミアンは、主人公を導く存在として描かれますが、途中で、カインとアベルの話などの、聖書的な雰囲気も持ってる作品です。

主人公が、描いたモデルのない女性の絵。

でも、それは実は、ある女性にそっくりだったという話も。

テレパシーについても書かれてますが、当時は斬新な話だっただろうなと思います。

最後に、たまたま戦争で負傷した主人公が、もっと重症なデーミアンと出会い、エバ夫人からの贈り物をもらい、朝があけたらデーミアンは…。

自己を見つめ直すというか、自分を知ることが出来たという話なんですが、何度読んでも面白い作品なんですよね。

ヘッセの作品は、どれもラストが格好良いんですよー。

今度再読する時には、ヘッセの「荒野の狼」でも読んでみようかな?(*´ω`*)

 

デーミアン