小林 泰三さんの「アリス殺し」を読みました。
年末に借りてきた本を、まだ読んでいなかったことに気づき、早めに返せるようにと昨夜寝る前に読んでみました。
今回読んだのは、小林 泰三さんの「アリス殺し」という作品。
タイトルに惹かれて借りてきたんですよね。
読んでみて、最初は夢落ちかな?みたいに思ったんですが、なかなかに伏線の張り方がすごくて、最後まで犯人がわかりませんでした。
そうなんです。
アリス殺しは、ミステリーだったんですね。
アバターみたいに、夢の世界と現実の世界を行き来できる人達がいて、ヒロインの有栖川さんとビル役の井森君が話を進めていきますが、不思議の国での殺人と、地球での殺人はリンクしていて、片方で死んだ場合は、もう片方でも死ぬと言う、何とも言えないルールが。
とは言え、最終的には、現実で死なない限りは、夢の世界では死なないということもわかりますが。
アリス役の有栖川さんは、ダンプティやグリフォン殺人の容疑をかけられ、それを払拭すべく井森君や刑事さんなどと一緒に奮闘するんですが、とうとう井森君まで殺されてしまいます。
井森君は、ダイイングメッセージを残していて、これが結末に大きく関わるんですが、犯人に消されないで済むように、しかもアリスにだけわかるように、そんなダイイングメッセージを残します。
でも、実はアリスは…みたいな感じです。
レッドキング(赤の王様)の見ている夢の中の世界。
目を冷ましたら、新しい世界が出来上がる。
それは、地球なのか不思議の国なのか…。
途中グロい表現もあり、結構死に方とか残酷です。
最後に種明かしみたいに、事件の概要が語られて、アリスも真犯人を見つけるんですが。
真犯人は、昔から不思議の国のことを知っていて、そして、自分の欲のために、沢山の殺人を犯します。
最後には、女王に首をちょん切られるんですが、そこはアリスの世界っぽいですね。
でも、女王に命じられたトランプ兵の不手際もあり、なかなか死ぬことが出来ない真犯人。
不思議の国の住人と地球の住人を認識していた数人は、自分の身を守るため、簡単に自分のアヴァタールを明かしませんが、それがミステリー的に響いて、最後は、「ああ、この人は不思議の国のあの人だったんだ。」みたいな驚きもありました。
途中で、何とも不思議の国の住人ぽい会話とかも楽しめますし、最後はどんでん返しというか、衝撃のラストでした。
ミステリー好きな私好みの小説でしたー。
何だか不思議の国のアリスの世界に入り込んだかのような作品でした。
さて、今夜はどれを読もうかな?(*´ω`*)